【訳】ATEEZ/ZERO:FEVER Part.2 Diary ver.ストーリー
ZERO:FEVER Part.2 Diary ver.記載のストーリー訳(意訳含む)です。アチズ考察に欠かせない彼らの世界観に繋がるストーリーなので訳してみました。以降考察記事の引用でも使用予定です。
A INTRO
手に持っているクローマーがピカッと光ったがまだアジトの中にいた。僕を見つめていたメンバーたちもそのままだった。 黒いフェドラ帽を被った男の多様な次元が存在するという言葉も、手に持ったクローマーも信じられない夢のような話だった。 その時外で正体不明の声が聞こえてきた。 音が近づいたと思ったら突然白い服を着た巨人がアジトを壊して現れた。彼らはマスクを被り顔全体を覆っていて人という感じがしなかった。彼らの視線はクローマーを見つめていた。
01 HONGJOONG
ここが何処か、本当に異なる次元なのかは今は関係なかった。
今重要なのはあの白い服の巨人の目的が僕らの持っているクローマーで、クローマーを奪われたら家に帰ることが出来ないということだ。
クローマーとメンバーを同時に守らなければならないのに、それはギャンブルに近かった。
その時足元の割れたガラスの破片が目に入った。
ユノからクローマーを受け取った後、巨人たちを挑発した。
“クローマーをあげる”と大声で叫んでから手に持っているものを窓の外に投げ捨てた。後ろで見守っていたメンバーたちはみんな驚愕した。
輝きが放射線を描きながら遠のくと白い服の巨人は大急ぎでそれに向かって行った。同時に僕は叫んだ ”逃げろ!” と。
02 SAN
アジト周辺の空間は僕らが元々いた所とよく似ていた。 さっき僕たちが戦った白い服の巨人と対面しなければ異次元やクローマー、音の存在は信じられなかった。 とにかく幸いなことに僕たちは無事にアジトを抜け出し、周辺の地理に慣れたおかげで暗闇の中でも道を探しながら森の中腹まで下りてきた。
目に見える空間は僕たちが知っている現実ととてもよく似ていたが、どこか少しずつ違う所もあった。
かつてウヨンがボボを救ってくれた崖下には渓谷が流れ、その上には大きな岩があったがここは水が流れる音も聞こえてこないし、大きな岩も見えない。
同じだけど妙に違う空間。
そんな考えに浸っている時にメンバーたちの笑い声が聞こえた。 少し息をついて、メンバーたちはクローマーが無事だという事実に安堵しお互いにちょっかいを掛け合っていた。 ホンジュン兄さんが窓の外に投げたものはクローマーではなく、クローマーと同じくらいの大きさのガラスの破片だった。
03 WOOYOUNG
僕を救ってくれた子供は月光が似合う少女だった。少女は僕と僕たちを喜んで自宅に招待してくれた。
僕たちは追われて逃げていたので疲れて倒れるようにすぐに眠り、その間少女は僕の怪我した足を手当てしてくれていた。
ガラスの破片に騙されて遠ざかっていった白い服の巨人は森の中腹で休んで僕たちをまた襲ってきた。
巨人に足を引っ張られたまま連れ去られる僕を捕まえるためにメンバー全員が(巨人に)飛び掛かり、そのせいでクローマーを奪われてしまった。巨人がクローマーを奪って視線を逸らした時に森の洞窟の方から石が転がってきた。
その方向に駆け上がると洞窟にいた一人の少女が岩の隙間から手を振った。
少女には弟が一人いた。少女は白い服の巨人に声を奪われたせいで話すことが出来ないと少年が言った。
彼らは自らを”グライムズ姉弟(キョウダイ)”と名乗った。
04 SEONGHWA
発達した技術をもとに人間の感情を基準値以下に下げる法案と、人間の感情に大きな影響を与える芸術分野の全面禁止が通過されたのだ。そのようにして中央政府は統制政策で高度成長を成し遂げ、人々は物質的な豊かさを得たが彼らの顔から笑顔が消え、ただ効率と利益だけを優先する社会になったという。
そんな日々が続いたある日、黒いフェドラ帽を被った男たちが現れ始めた。
彼らはあちらこちらに突然現れ、歌とパフォーマンスを披露したりしたが、そのパフォーマンスには人々を引き付ける力があったという。彼らに刺激された人々は次々に感情の規制を克服し始めた。
多様な分野の人々が中央政府に反対する連帯のレジスタンスを結成し自らを「黒い海賊団」と呼んだ。
中央政府は黒いフェドラ帽の男たちを指名手配したが彼らが持っていたクローマーの空間移動機能によりいつも逮捕に失敗した。
そして新技術で制作されたアンドロイドガーディアン(おそらく僕らを捕まえるために来た白い服の巨人の事のようだ)を投入して結局黒いフェドラ帽の男たちを捕まえることに成功する。
黒い海賊団であり、レジスタンス、それは重要ではない。
重要なことは家に帰るためにはクローマーが必要だということで、その重要なクローマーをアンドロイドガーディアンに奪われたということだ。
05 YEOSANG
親愛なる父へ
父さん、僕は今戻ることが出来ないかもしれない”ストリックランド”を目指して歩いています。
いつも綺麗で真っ直ぐな道だけ歩いて、でこぼこの整備されいない道を歩こうとするとしきりに足がズキズキ痛みますね。
足は痛いけどそれでもいいものですね。
友人たちと一緒ということ、そして自ら決めたところに向かって歩いているという点が良いです。皆ここが新しい世界だといいますがなんとなく僕はこの風景に慣れています。
森を下りてきて向かい合った都心の中には道を歩いている時、空を一度眺めることもなく、追われるように走る人々、不必要な笑顔は顔から消えてしまい、必要のある言葉だけを交わす人々、顔の合わせ方を忘れたまま小さい機械を見つめるだけでした。
僕はひょっとしてこの場所は新しい世界ではなく、僕が生きてきた世界を顕微鏡で見た場所ではないかと思いました。
父さん、僕がこの友人たちと一緒に歌って踊って付き合う姿に衝撃を受けたことを知っています。けれど僕は僕が生きてきた世界、いや閉じ込められていた世界からあまりにも抜け出したかったんです。両親をとても愛していたけれど僕は二人の世界の中でたった一度も幸せだったことがありませんでした。
アジトとして使用していた倉庫から追い出されてバラバラになった時、それよりもっとつらかったのは僕たちを追い出した人が父さんだったという事実でした。
僕は喜んで僕を迎え入れてくれた友達から幸せを奪った人になりました。初めから僕と出会わなければこんなことにならなかったのにと後悔しました。恨みました。父さんを。
父さん、だから僕は父さんが作った世界にまた戻ろうと思っています。
父さんを愛していないからではなく、これ以上父さんを恨みたくないからです。
ヨサンより
06 MINGI
クローマーを見つけるためにはアンドロイドガーディアンのバンカー*1に行かなければならず、そのバンカーを知る人は”ストリックランド”廃棄場の管理人である”レフトアイ”だけなのでこの場所に来るしかなかった。
ゴミを休みなく燃やしているからだろうか。幻覚症状を起こすという黄色い煙が絶えず立ち上がっていた。そのせいかレフトアイという人間も空に向かって独り言を言っていた。
「はぁ...あの人のためにどうしてアンドロイドバンカーの位置を突き止めるんだ?」
ウヨンのお節介のおかげで僕らはアンドロイドバンカーの位置と共に、グライムズ姉の声を取り戻すことにした。あいつはいつもこうやって余計なお節介をふるっている。ホンジュン兄さんとグライムズ姉弟の話を聞いたらレフトアイは人間にもなんか一々事情だあるみたいだ。まあ事情がない人なんてどこにもいないか。
とにかく僕らはチームに分かれた。グライムズ少女の声を探すために洞窟のようなゴミの山の中に行くメンバーと、レフトアイを説得してアンドロイドバンカーの位置を調べるチーム。僕は後者だった。
07 JONGHO
ダムダムダム... バスケットボールが弾む音が聞こえた。聞き間違いかと思った。
僕はグライムズ少女の捨てられた声を探すために体に細いロープを結び付けて防毒マスクを着けてゆっくりと穴の中に入っていった。
声をどうやって捨て、探すことが出来るかは分からないけど、新エネルギーを何とかして可能になったという。声の形は生まれて一度も見たことがなかった。
形や色があるのかとグライムズ少年に聞くと、エネルギーが凝縮された青い光の玉のような形をしていると答えてくれた。
少年が言った形の玉が黄色い煙の奥深くで輝いていた。
その時再びバスケットボールが弾む音が聞こえた。足を止めると足元にバスケットボールが転がってきた。”勝利は僕のものJ.H.” 僕のボールだった。頭をあげると僕は競技場の中に立っていた。
”何してるんだ!パスしろ!”と仲間が叫んだ。デジャヴなのか…少し呆然とした。笛の音が競技場内に響いた。ちょっと変な夢を見たようだ。
何かを探していたのだがそれが何だったか思い出せない。また試合が始まった。僕はコートの上を走って行った。
08 YUNHO
ファッションデザインを学んだ後、規模は小さいがユニークなスタイルのブランドショップを経営していたレフトアイは親しみにくい外見のためファッションハウスの面接でいつも落とされていたという。
しかし彼は並外れた実力者で情熱があり温かい人だった。
娘を亡くすまでは。
レフトアイの娘は道に咲いていた花を救うため手を伸ばした時、物凄いスピードで通りかかった車にぶつかったという。
周囲を見回すより速く前に進むことが重要な人々から。倒れた子供を道行く人たちは気にも留めず素早く通りすぎて子供は徐々に死んでいった。
レフトアイは後にこの事実を知り、憤り、絶望し、以前とは完全に別人になった。
娘を亡くしストリックランドの廃棄場で妄想を作り出す煙に酔って娘の幻に会い、そのように廃棄場をフラフラしていたがアンドロイドガーディアンに抜擢されて管理人にまでなったという。
彼の話を聞いている間、僕はずっと兄さんの事を思い出していた。レフトアイの気持ちが少しはわかるような気がした。
レフトアイはちょうど兄さんを亡くした時の僕と似ているようだった。アンドロイドバンカーを見つけ出すという本来の目的もあるが、僕は個人的にも彼を必ず助けたかった。そのためには一旦煙がひどくない所に彼を誘導しないといけなかった。
彼が見ている娘が本物ではなく幻だという事実を悟らせなければならなかった。
Z OUTRO
ジョンホの体に縛っていたロープが止まりかけ、これ以上動かなかった
心配したヨサンはどんな状況か調べるために残ったもう一つの防毒マスクを被ってゴミの山に入っていった。
ー
足首の怪我をしたあの時、あの試合がジョンホの目の前で行われていた。
ジョンホはもうこれまでの全てのことを虚像とデジャヴだと片付けてしまい、あの時の恥辱を消すためにもっと激しく走った。
ー
レフトアイはメンバーを攻撃し始めた。追いかけてきたレフトアイを避けながら煙のない所へひそかに彼を誘導した。
娘の幻が消えると彼はさらに発狂した。みんなどうしたらいいか分からず静まり返ったその隙にユノが叫んだ。
”あなたの娘さんは亡くなりました!”
みんなが驚いた顔でユノを見つめた。
本当はわかっているのに信じたくなくて認めたくないんじゃないか、とユノがもう一度彼に問い詰めた。
”殺してやる!”
レフトアイは悲鳴のような奇声を上げながらユノに向かって大きなバットを振りかざした。
ー
”ジョンホ!”
ヨサンが到着した時、ジョンホは幻に酔い、物凄い勢いで崖に向かって走って行っていた。